【涼香】18.万博トイレ物語完結   ~さようなら 欲にまみれた万博~

小説

涼香は意を決す。ピチャチャチャ…とおしっこがトイレの床に響く中、彼女は震える足で立ち上がる。

スカートに尿が滴り、濡れた染みが広がるが気にしない。

片手でスカートの股間を押さえ、ノーパンの恐怖を隠そうとするが、濡れた布が肌に張り付き、輪郭が浮かぶ。

涙が頬を伝い、声を振り絞る。

「やめろー! 彩乃!」 トイレに絶叫が響く。

静寂が流れる。

涼香は泣きながら、怒りと悲しみが爆発した表情で彩乃を睨む。

「彩乃! あんたには絶対負けないから! こんなことで負けないから!」

今まで見たことのない、キレた涼香の顔に、配信コメントがひき気味。

「うわ、涼香、マジギレ…」

「こんな涼香、初めて見た」

SNSが一転。

「彩乃、ひどすぎだろ」

「涼香にあんなことさせるなんて最低」

「彩乃、やりすぎ!」

批判コメントが溢れ、矛先が変わる。

静寂が再びトイレを包む。

彩乃は焦ったように笑う。

「え、冗談だって、そこまではしないよ..じゃ..お疲れー!」

カメラをパッと切り、配信を終了。

スマホを床にポイッと置き、足早に去っていく。

涼香への嫉妬と秘肛撮影の企みは失敗に終わり、批判の矛先を避けるために彩乃は撤退した。

涼香はフラフラと立ち尽くす。濡れたスカート、冷や汗、涙の顔。そのとき、スマホが鳴る。

田中からの通話だ。「涼香、お前が出たがっていた番組の出演がとれたぞ! 休んでいる暇はない。お前は今、流れに乗っている! はやく新幹線で東京に来い!」 田中の声は視聴率の興奮で弾んでいる。裏金ステマと涼香のピンチを最大限に利用した結果だ。

涼香は放心状態で頷く。「はい…わかりました…」 ノーパンのスカートを押さえ、濡れたままフラフラと歩き出す。すぐに新幹線で東京へ向かう。陰毛仮説ブラックホールと桃尻騒動を背負いながら、涼香の夢はまだ終わらない。フラフラの身体に、希望と疲弊が交錯する。

涼香はまだ知らない。次の出演ではさらに別次元の恥辱が始まることを

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