【涼香】32.因縁の対決へ ~健康診断・身体測定~

小説

老婆の民家の布団で目を覚ました涼香は、静かな朝を過ごすつもりでいた。

だが、携帯電話の鳴り響きがその穏やかさを破る。画面には「田中」と表示され、彼女はため息をつきながら通話ボタンを押した。

「涼香、彩乃との直接対決番組が決まった。東京に戻れ。視聴率を噴き上げるため、お前と彩乃の対決で騒ぎにする!」

田中の声は冷たく、策略が隠れている気配がした。涼香は疲弊を感じながらも、負けるわけにはいかない、逃げるわけにはいかないという思いが胸をよぎる。

米騒動の屈辱を乗り越え、彩乃に勝つことで証明したい。

「分かった、行く」と自ら同意した。

田中はさらに、

「東京到着前に昭和保健室クリニックで健康診断と身体測定を受けてこい。対決に備えるためだ」

と付け加えた。

ロケバスに乗り込んだ涼香は、窓の外を流れる田園風景を見つめながら、疲れた身体を預けた。

「おばあちゃんごめんね…またきっと戻ってくるからね」

と心の中で呟く。

米騒動の無力感が蘇り、彼女の瞳は潤んだ。

スマホを取り出し、ファンのコメントをスクロールする。

だが、目に飛び込んできたのは、米騒動のコメ風呂で裸を見られた画像。

彼女の心は哀しみで締め付けられ、涙がこぼれた。

「またこんな目に…」

と呟きながら、そんな中、

「涼香、騙されていたぞ」

「目を覚ませ」

といったコメントが散見され、困惑が広がる。

「どういうこと…?」

と首をかしげるが、答えは見つからず、ロケバスが昭和保健室クリニックに到着したため、スマホをしまった。

クリニックに到着した涼香は、受付で看護師に

「ここは昭和風の方法じゃ。パンツ1枚で受けるように」

と告げられた。彼女の顔が一瞬こわばり、

「え…?本当ですか?」と小さな声で確認する。

看護師の冷たい視線に耐えきれず、涼香は震える手で服を脱ぎ始めた。

シャツを脱ぐたび、胸元が露わになる恐怖に顔が真っ赤になり、

「見ないで…」と呟きながら、背を丸めて隠そうとする。スカートを下ろすとき、太ももが外気に触れ、羞恥で身体が縮こまり、

「恥ずかしい…」と涙声が漏れる。

やっと下着1枚になり、両手で胸を覆い、看護師に「これでいいですか…?」と頼りなく尋ねる。看護師は無表情で「こっちへ」と案内し、保健室へ向かう。

保健室で、看護師が器具を取り出した。「体重は1貫単位、身長は1尺単位で測る」と説明。

涼香は「貫?尺?何それ…」と理解できず、戸惑いの表情を浮かべる。

身長測定器に上がるよう指示され、パンツ1枚で立つ。看護師が「胸を隠さずに直立の姿勢をとれ」と命じる。

涼香は恥ずかしさで顔を真っ赤にし、

「え、でも…隠してもいいですよね?」と抗議するが、

「動かないで!」と叱られ、やむなく両手を下ろす。

胸が露わになり、冷たい視線に晒され、心臓がドキドキと高鳴る。

「恥ずかしい…見ないでください…」と小さく呟き、羞恥で身体が震えた。

次に、看護師が「次はお医者様の診察だから、座って待っていなさい」と告げ、丸椅子を指差す。涼香は羞恥に耐えながら椅子に腰かけ、医師を待つ間、米騒動のトラウマとファンのコメントが頭をよぎり、複雑な表情を浮かべた。

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