シュッ!シュッ!シュッシュッ!!

バックステージで田中平蔵が叫ぶ、
「やめろーーー!!あいつらが怪我したら、俺が中抜きできなくなるだろ!誰か止めろ!」
と焦る声が微かに響く。

スタジオ内で激しいケンカが続く中、
「ヤメナサイ!」
とヨガ講師が二人の間に割って入った。
発展中の経済大国インドのカースト講師は、たくましいフィジカルで涼香と彩乃を軽々と引き離す。
筋肉質な腕と堂々とした姿勢に、スタジオは一瞬静まり返った。
涼香と彩乃は息を切らし、互いを睨みながらも動きを止めた。
「今日ハ喧嘩ジャナイヨ!ヨガダヨ!」
と落ち着いた声で諭し、今日の対決はヨガポーズで勝負を決めることを宣言した。
「着替エテキナサイ」と指示を出し、CMが流れ始めた。
CM「ごはん1杯はコンビニのサンドウィッチより安い。ハンバーガーより安い。それでもあなたは、お米が高いと思いますか?適正価格にご理解を。作って笑顔、買って笑顔。 ~JA~ 」
バックステージでは、田中が額の汗を拭いながら安堵の息をついた。
「危なかったぜ~。おい、対決中はあの二人を近づけるな。接近禁止だ。怪我されたらこっちが困るからな」とスタッフに命じる。
子分が興味津々に質問する、
「しかし田中さん….ヨガってエロいんですか?」
田中はニヤリと笑い、
「エロいわ!!講師の姿をよく見てみろ!」
子分が目を凝らすと、
「あ・・・これは!!」

「テンション上がってきた!テンション上がってきた!」
と興奮を隠せない。
田中がさらに煽り、「cameltoeってんだよ。海外で人気だぞ?チクポチと似たようなもんだ!ヨガコスチューム。検索してみろ!キャメルトゥ~♪ cameltoe~♪ケケケケ!」
と歌うように言うと、
子分は「テンション上がってきた!テンション上がってきた!」と顔を左右に高速で振りながら連呼し、スタジオは奇妙な熱気に包まれた。
CM明け、着替えを終えた彩乃がスタジオに立った。
タイトなヨガコスチュームに身を包み、講師の指示通りに次々とポーズを決める。



木のポーズ、ダウンドッグ、戦士のポーズを流れるようにこなし、しなやかな動きにスタジオが息を呑む。


講師は「素晴ラシイ!完璧ダネ!」と褒め、
彩乃は得意げに微笑んだ。

次は涼香の番だった。
彼女はヨガをしたことがなく、着替えた瞬間から不安が募っていた。

タイトなヨガ服は身体のラインを強調し、恥ずかしさで顔が熱くなる。
「こんな服…恥ずかしい…」と呟き、鏡に映る自分を見てさらに焦る。

しかも、身体がそんなに柔らかくないことを自覚しており、
「私、こんなポーズ無理かも…失敗したら…」と心がざわつく。
講師の視線を感じ、涼香はスタジオに立つ足が震え始めた。
子分「cameltoe!cameltoe! テンション上がってきた!テンション上がってきた!」


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