テレビタレントデビューを目指す紗良は、スタジオでオーディションを受けていた。
スタッフは彼女の一挙手一投足を熱心に見守っていた。
田中は彼女の前に立ち、不敵な表情を浮かべていた。
「よし、紗良。次はパンツをずらしてくれ」
と田中は指示した。
紗良はためらった。まさかオーディションでそんな指示をされるとは思ってもみなかった。
「絶対に無理です!」
と紗良は抗議した。
田中はため息をついた。
「いいか、君にとって辛いのは分かる。でも、僕の気持ちも理解してもらわないと。芸能界は厳しいんだよ。撮影中にどんなことがあっても、君が耐えられるかどうか見極めないといけないんだ。」
紗良は唇を噛み、涙をこらえた。
そして、しぶしぶパンツを少しずらした。

田中は頷いたが、まだ納得していないのは明らかだった。
「そんなもんじゃない!もっと頑張れ!」と彼は言い張った。
紗良は恥ずかしさで頬を赤らめ、部屋を見回した。
撮影されている。そんな中で、これ以上のことをしてしまったら・・・

「…でも、これ以上は私にはできない…」
と彼女はどもりながら言った。
田中は眉をひそめた。
「タレントになりたいんでしょう?だったら、必要なことはするしかない」

彼は少し間を置いてから付け加えた。
「それに、家族に借金があるのは分かっている。君がこのオーディションを乗り越えたら僕が仕事を斡旋するよ。頑張って」
紗良は恥ずかしさに耐えようと深呼吸をした。
小声で「オーディションがこんな風になるとは思わなかった…」と呟いた。
諦めかけようとしたその時、スタッフの一人が近づいてきた。
「手伝いましょう!」と彼は申し出た。
紗良は心臓がドキドキして凍りついた。
「いやあああああ!!やめて!」とパニックになり、彼女は叫んだ。
「もう自分でやります!」
震える手で彼女は水着を一気にに引き上げ、
すると両側から紗良の黒い茂みが露出!

田中の子分である次郎は、紗良の露出した体に見入り、興奮を抑えきれなかった。
「おわああああ!紗良ちゃん陰毛が生えてる!はみ出してる!ハミ毛!ハミ毛きたこれ!テンション上がってきた!テンション上がってきた!」
彼のコメントは、既に恥ずかしがっていた紗良をさらに恥ずかしくさせる。
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涼香はベッドに腰を下ろし、監禁病棟の薄暗い部屋で静かに本を開いた。
小さな窓から差し込む仄かな光が、彼女の孤独を照らし出していた。
膝に抱えた「広告代理店の本性」と「番組制作会社の末路」を次々とめくり、ページを追うごとに心がざわついた。

テレビ番組での屈辱が頭をよぎる中、本の文字が新たな現実を突きつけてきた。
数時間後、両方の本を読み終えた涼香は、疲れ切った目で本を閉じた。
「芸能界ってこうなってたんだ…」
と呟き、ページに書かれた中抜きの仕組みが頭を支配する。
広告代理店やテレビ局が電波利権で守られながら利益を中抜きし、下請けの番組制作会社が搾取された後に必死にタレントを使う構造。
彼女の脳裏に、田中平蔵にスカウトされてからの日々がフラッシュバックする。
「私があんなことされたのも、中抜きが原因だったのね…」
と呟き、恥ずかしく晒された屈辱の記憶やファンの声が聞こえなくなった寂しさが胸を締め付けた。


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