【涼香】46.監禁病棟/あぶないオーディション(ギガ③) デスバレー

小説

金髪の髪が背中を流れリズミカルに踊る。彼女は曲線美と張りのある乳房をさらけ出していた。

部屋の明かりが、彼女の全身に光を投げかける。

彼女は身体を揺らし、動きに合わせて胸が揺れた。

官能的なダンスは、彼女に魅了された観客を歓喜させている。

「ブラボー!ブラボー!」

身を解き放ち、動きを通して心の奥底にある欲望を表現。

彼女の動きは単なる即興ではない。

このルーティンを過去に何度も繰り返し練習し、一つ一つの動きを完璧に磨き上げてきたことを物語る。

ギガの自信満々な動きに、配信コメントが「セクシー!」「最高!」と沸き上がり、視聴者の熱気が画面を走る。

ダンスを止め、おもむろにギガはブラを装着。

次郎「あれ?終わった?」

その直後、ギガは突然日本語で

「次ハ、下半身ダ!」

と宣言

次郎「か・・・下半身!?・・・」

「テンション上がってきた!テンション上がってきた!」

彼女は自慢のヒップをさらけ出し踊る。

そしてギガはカメラに近づき、パンティーに手をかけ

「Want to see my Death Valley? Yes or No」

(私のデスバレーが見たい?YES or NO)

と視聴者に問いかけた。

瞬く間にコメント欄が

YESで埋め尽くされ、運営側は主導権を完全に握られ続けている。

日本人:

@TanakaFan88: 「デスバレー!?ギガさんやばすぎww YES連打しかない!」

@SushiLover23: 「下半身きたー!運営の顔赤すぎて笑うw YES YES YES!」

@NekoMimiChan: 「ギガのダンス神レベル!デスバレー見たい!YES~」

外国人:

@USADanceKing: « OMG, Death Valley? YES YES! Giga is wild! »

(和訳: 「うわっ、デスバレー!?YES YES!ギガ、めっちゃワイルド!」)

@EuroSpicyFan: « This is insane! Giga’s hips + YES votes all the way! »

(和訳: 「これは狂ってる!ギガのヒップ+YES投票一直線!」)

@UKGamerGirl: « Death Valley? Bold move! Voting YES from London! »

(和訳: 「デスバレー?大胆すぎ!ロンドンからYES投票!」)

次郎「デ・・・デ・・デデデスバレー!!??」

田中の顔はますます赤らみ、

「何!?こいつ、勝手に盛り上げやがって!」

と低い声で吐き捨てた。

怒りが頂点に達し、次郎の襟を掴んで

「ちゃんとコントロールしろ、この間抜け!」

と怒鳴った。

次郎は「はい!すいません!」と震えながら謝り、

ギガを止めるべく

「ヘイ!ユー!」

と呼んだが、彼女の勢いは止まらなかった

ギガはパンツを脱ぐ!

田中「ああああああああああああああ!!」

次郎「わああああああああああああああ!!!」

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涼香はベッドに凭れかかり、監禁病棟の薄暗い部屋で「農政トライアングル」の余韻に浸っていた。

膝に置いた本を閉じ、ふと目を上げると、監護士が白衣のポケットに手を突っ込みながら近づいてきた。

「選挙行く。投票してくる。大人しくしてろよ」

と監護士が低い声で告げた。

独特な表情の彼は、冷ややかに鼻を鳴らし、薄い笑みを浮かべる。

2ちゃんねら知識で社会の裏を語る彼との対話が、涼香に少しの信頼感を与え始めていたが、その言葉に彼女の目がパッと開いた。

「え?選挙!?私も行く!」

と反射的に起き上がった。

「ここから出して!」

と声を張り、監禁の壁を突き破りたい衝動が湧き上がる。

だが、監護士は一歩下がり、鋭い目で彼女を射抜いた。

「お前、投票したいのか、ここから出たいのか、どっちだ?」

と問い詰める。

涼香は一瞬言葉に詰まり、頬を膨らませて反発した。

「何その二択?どっちもだよ!」

脱出への渇望と、国民としての権利を行使したい気持ちが交錯し、心が揺れた。

監護士は肩をすくめ、冷たく言い放った。

「お前はまだ、ここから出られない。」

その言葉に、涼香の怒りが爆発した。

「は?投票は国民の権利でしょ!?出してよここから!投票できないなんておかしいよ!」

と叫ぶ。

彼女の声は部屋に反響し、薄暗い空気を切り裂いた。

監護士は無表情で一呼吸置き、静かに続けた。

「お前のような監禁されている国民は、ここで投票の手続きができる。」

その提案に、涼香は口をぽかんと開けた。

「…」

「それで良いなら投票できるが、するか?」

「投票はするよ!」

と力強く答えた。その瞬間、涼香の胸に小さな火が灯った。

監禁の中であっても、自分の声を発信できるチャンスが与えられたのだ。

監護士は2ちゃんねら知識で社会を語る頼れる存在として、彼女の前に立ちはだかる壁を少しだけ取り払ったように感じられた。

だが、スマホがなくファンの声が届かない寂しさは残り、田中平蔵への復讐心が静かに燃え続けていた。

薄暗い部屋の隅で、彼女は監護士を見つめ、「どうやって手続きするの?」と新たな一歩を踏み出した。

「ここから出る方法も、考えないと・・・」

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