【涼香】50.監禁病棟/日本のオーディション(楓花②) 「やめて…」

小説

何が起こっているのかに気づき、彼女は恐怖と興奮の波が押し寄せるのを感じた。

「・・・・・?・・・?・・・!?」彼女は不安に震え絶句。

スタッフの一人が暗い笑みを浮かべた。

「オーディションを受けに来たんでしょう?ここではこうやって才能を見極めるんです」

男たちが水着を引っ張り続ける間、楓花は恐怖で凍りつき、身動きも取れなかった。胸が高鳴り、涙が頬を伝った。

こんなオーディションは変だと思ったが、権力者たちに逆らうことの代償も怖かった。

楓花の心臓は激しく高鳴った。

男たちの手が刻一刻と大胆になるにつれ、楓花は小さく叫び、涙が頬を伝った。

「お願い…」

と、かすかな声で懇願した。

「やめて…」

しかし、彼らの容赦ない手はますます強くなり、布地を引っ張るたびに、彼らの決意がはっきりと見て取れた。

スタッフ2人は彼女のパンティを強くひっぱる。彼女は小さな声で泣きだした。彼女の陰毛は見えない。

「お?毛の処理は十分かな?」

田中は震える楓花の体をじっと見つめながら、冷たく尋ねた。

スタッフが何気なく首をかしげ

「まだ分かりません」

そう言うと、二人の男は楓花の水着をさらに引っ張る。

「だめ…お願い…」楓花は屈辱の嵐に目を閉じ、すすり泣いた。

田中は「いいぞ」と呟いた。

海外視聴者から反応が飛び交う。

「Japan’s too harsh!」 (「日本、狂ってる!」)

「Come on, give her a break!」 (「ちょっと、彼女に休憩させてよ!」)

「That’s too much, man!」 (「それ、やりすぎだろ!」)。

楓花は、圧倒的な凌辱感に吐きそうになった。

こんなことはオーディションではないはずだ。

本来オーディションは美しさ・才能・技術などを競うものだ。

しかし今は、彼らが彼女をどこまで追い詰められるかだけが重要に思えた。

「やめてください。自分でやりますから…」

「わかりました。ではご自分で頑張ってください」

「cameltoe♪cameltoe♪デスバレー!デスバレー!」

次郎は楓花の食い込んだ股間に興奮し、覚えたての変態語を叫んでいた。

スタッフな名残惜しそうに楓花にボディタッチした後、彼女から離れた。

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監禁病棟のトレーニングルームで、涼香はグローブを外し、息を整えていた。

サンドバッグに叩き込んだ拳の感触が、まだ手に残っている。

彼女はふらつく足で図書室へと向かう。

薄暗い部屋には、古びた本棚と新聞が積まれ、消毒薬の匂いが鼻をつく。

監禁された者たちがわずかな気晴らしに使うこの場所は、外部の情報を得る数少ない窓口だった。

涼香は新聞の山から一枚を手に取る。2025年7月26日の紙面に、でかでかと見出しが躍る。

「農業団体グループ京都会長、8億円の申告漏れ発覚!」

彼女の目が一気に鋭くなる。

「あ! これ…!」記事を食い入るように読み進める。

『悪質な装いや隠蔽と判断』

涼香の声が思わず漏れる。

「えええ!? やっぱり…農政トライアングルって、とてつもなく悪質な癒着利権だったんだ!」

背後で、監護士の低い声が響く。

「お、ようやくその記事読んだか。」

涼香が振り返ると、監護士は無表情で立っていた。彼女は新聞を握りしめ、食い気味に尋ねる。

「あんた、どう思う? この腐った連中のこと!」

監護士は目を細め、冷たく笑う。

「俺たちがこの前話した通りだろ。真実がようやく浮き彫りになっただけだ。だがな、こんなのは氷山の一角にすぎねえ。8億なんて、奴らにとっては端金だ。農政トライアングルはそんな甘いものじゃねえ。こんな一件がバレてもビクともしない、巨大な怪物だよ。」

彼の声には、どこか諦めと皮肉が混じる。

涼香の胸に、ズシリと無力感がのしかかる。

監禁されたこの病棟で、巨大な権力に立ち向かう術などないように思えた。

新聞を握る手が震え、彼女は一瞬目を閉じる。

「こんな連中に…私は何もできないの…?」

だが、次の瞬間、彼女の目がカッと開く。

心の奥で燃える闘志が、無力感を焼き尽くす。

「いや、違う。今は…今は自分を鍛えるんだ!」

彼女は新聞を叩きつけるように棚に戻し、図書室を飛び出す。

トレーニングルームに戻ると、グローブを再び手に取り、きつく締め上げる。

サンドバッグを睨みつけ、右足を踏み込み、拳を振り上げる。

「 私はここから這い上がる!」

バシュッ! サンドバッグが重く揺れ、彼女の拳に鋭い痛みが走る。

だが、その痛みが彼女の決意をさらに燃え上がらせる。

「絶対に脱出してやる!」

涼香の叫びが、薄暗い部屋に響き渡る。

彼女の拳は止まらない。

バシュッ、バシュッ!

連打のたびに、汗と怒りが迸る。

監禁の重圧にも、田中の中抜きにも、巨大組織の影にも、彼女の闘志は屈していない。

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