【涼香】60.恥辱の温泉リポート 群馬編③ 私の選択…間違ってた…

小説

霧島隠れ家 翠雲荘の男湯は、湯けむりが漂い、温泉の熱気が明里あかりの肌を包む。

白いバスタオルに手を当て、彼女は震えながら温泉浴場に立つ。

群馬班の撮影現場は、田中グループの「温泉リポート」と偽装した舞台。

たかしがカメラの後ろでニヤリと笑う。

スタッフの不穏な視線と、マユの観察が、彼女を取り囲む。

だが、明里の心は恐怖で揺れていた。

「どうしよう…」

キー局の試験に落ち、エステ通いで貯金をほぼ使い果たした彼女にとって、

このオーディションは夢への再起の第一歩にするつもりだった。

彼女はカメラのレンズを意識する。

たかしが苛立たしげに声を上げる。

「おい、明里、いつまでタオル巻いてんだ! 」

彼の言葉は、まるでハンマーのように明里の胸を叩く。

「撮影時間すぎたらどうすんだ! 宿泊代、出張費、スタッフの人件費、数百万かかってんだぞ!お前、 払えるのか!?」

スタッフが下品に笑い、カメラが彼女の動揺をアップで捉える。

明里の指が、バスタオルに震えながら絡まる。

「どうしよう…恥ずかしい…でも、そんなお金払えない…」

彼女はたかしの脅しやスタッフ達による無言の圧力に屈した様子で、顔がこわばる。

「私には、運が無いんだ….」

そして、ゆっくりバスタオルにかけていた手を動かす。

タオルがスルリと落ちる。明里の裸体が、温泉の柔らかな光に照らされる。

彼女の身体は、エステで磨かれた滑らかな肌と、女性らしい柔らかな曲線が調和し、湯けむりに溶け込むように輝く。

彼女の胸は柔らかそうでもありながら張りもあり、夢を追い続けた儚さを静かに物語る。

彼女は震える足で立つ。

たかしは一瞬目を細め、ニヤリと笑う。

「へえ、悪くねえぞ。」

スタッフがニヤニヤしながらカメラを寄せ、アップで彼女の裸を撮影する姿に、

明里の心は羞恥で締め付けられる。

「撮られている…私の裸…!」

彼女の頬が熱くなり、膝が震える。

カメラの冷たいレンズが、彼女の胸、腹、股間を舐めるように捉え、スタッフの笑い声が耳に刺さる。

「みんな…見てる…!」

彼女は思わずしゃがみ込み、両腕で胸を隠す。

「こんなの…恥ずかしすぎる…!」

頭に浮かぶのは、カフェで飲んだ紅茶の温もり、キー局の不採用通知、

そして「女子アナになる」という夢。

あの時、応募を決めた自分の決断が、今、彼女をこの舞台に立たせている。

「私の選択…間違ってた…」

湯けむりが彼女の視界をぼかし、羞恥が心を締め付ける。

「…私の裸、撮られてる…。」

「この配信…絶対拡散される。友達にもフォロワーの人たちにも観られる….」

たかしが苛立たしげに声を上げる。

「おい、明里、しゃがんでんじゃねえ! さっき説明した通り、頑張ろうぜ! 時間も限られてんだよ!」

彼の声は、まるで鞭のように明里を打つ。

スタッフが下品に笑い、カメラでじっくり撮り続ける。

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