【涼香】10.ホテルのシャワー 涼香のシャワー

小説

涼香は名古屋のビジネスホテルにチェックインする。Yチューブチャンネルバンから数日、田中からの突然の連絡でやってきた。「涼香、でかい仕事だ! とりあえず名古屋のこのホテルに泊まって、明日昼に打ち合わせな!」

ガラガラのロビー、薄暗い廊下、埃っぽいカーペット。潰れそうなホテルの雰囲気に、涼香は眉をひそめる。「…大丈夫かな、これ? 田中さん、ちゃんとした仕事だよね?」 CM女王の夢を追い続ける彼女だが、田中への不信がチラつく。「アイツのこと、信用しすぎると痛い目見る…でも、夢のためには…」

部屋に入り、疲れた体をほぐすためシャワーを浴びる。湯気が立ち込めるバスルームだけはまあまあ。引き締まった尻は、トレーニングとダイエットで形を維持してきた自慢のパーツ。「でも、あんなふうに見せるためじゃなかった…」

過去のハプニング—路上放尿疑惑、温泉ポロリ、洞窟での剛毛論争—が脳裏をよぎる。視聴者に「見られてしまった」記憶が、胸を締め付ける。

「秘部のこと、散々言われた…絶対見られるわけにはいかない!」 彼女は自分の乳房に目を落とす。乳首の色は微妙なグラデーション、光や体調で変わる。「陥没気味のときもあれば、服の摩擦で突起が目立つときも…あの温泉のポロリ、どんな状態だったんだろ…?」 確かめるのも怖く、ただ恥ずかしさが募る。「乳首研究員とか、フィギュアとか…最悪だよ…」

涼香のイメージカラーは白。服も白を好み、肌も日焼けを避けてきた。「白は清潔、純粋…私のブランドなのに…」 温泉での乳房露出、洞窟での「全部見えた」発言が、白いイメージを下品に塗り替えた。「乳房の登頂部、色のついた部分…人に見せたくなかったのに…」 女優が役のイメージを振り払うように、涼香も下品なレッテルを払拭したい。

「これ以上、トイレとか剛毛?とか言わせない! 新しいイメージで輝かなきゃ!」 シャワーを終え、大切な局部を最後にもう一度洗い、バスルームを出る。

部屋に戻ると、田中から荷物が届いている。メモには「新しいドリンクだ。しっかり飲んで、明日感想を聞かせてくれ!」 案件風のパッケージに、涼香の心が躍る。「また案件かな? これでCM女王に近づける!」 風呂上がりの喉の渇きもあり、スポーツドリンクを一気に飲み干す。「うん、爽やか! いい感じかも!」 だが、すぐに強烈な眠気が襲う。「…え、なんでこんなに…?」 そのままベッドに倒れ込み、眠りに落ちる。

涼香が知らなかったのは、ドリンクに利尿剤が含まれていたこと。田中は彼女の「トイレ=下半身」のイメージをさらに強化する策略を仕掛けたのだ。もともとトイレが近い涼香。放尿疑惑で「水たまりにファンが集まった」トラウマを抱える彼女にとって、トイレは最大の弱点。「ファンのため、夢のため…」と眠る涼香に、田中の笑みが忍び寄る。ただでさえトイレが近い涼香、どうなってしまうのか!

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