涼香は意を決す。ピチャチャチャ…とおしっこがトイレの床に響く中、彼女は震える足で立ち上がる。
スカートに尿が滴り、濡れた染みが広がるが気にしない。
片手でスカートの股間を押さえ、ノーパンの恐怖を隠そうとするが、濡れた布が肌に張り付き、輪郭が浮かぶ。
涙が頬を伝い、声を振り絞る。
「やめろー! 彩乃!」 トイレに絶叫が響く。

静寂が流れる。
涼香は泣きながら、怒りと悲しみが爆発した表情で彩乃を睨む。
「彩乃! あんたには絶対負けないから! こんなことで負けないから!」

今まで見たことのない、キレた涼香の顔に、配信コメントがひき気味。
「うわ、涼香、マジギレ…」
「こんな涼香、初めて見た」
SNSが一転。
「彩乃、ひどすぎだろ」
「涼香にあんなことさせるなんて最低」
「彩乃、やりすぎ!」
批判コメントが溢れ、矛先が変わる。
静寂が再びトイレを包む。
彩乃は焦ったように笑う。
「え、冗談だって、そこまではしないよ..じゃ..お疲れー!」
カメラをパッと切り、配信を終了。
スマホを床にポイッと置き、足早に去っていく。
涼香への嫉妬と秘肛撮影の企みは失敗に終わり、批判の矛先を避けるために彩乃は撤退した。
涼香はフラフラと立ち尽くす。濡れたスカート、冷や汗、涙の顔。そのとき、スマホが鳴る。
田中からの通話だ。「涼香、お前が出たがっていた番組の出演がとれたぞ! 休んでいる暇はない。お前は今、流れに乗っている! はやく新幹線で東京に来い!」 田中の声は視聴率の興奮で弾んでいる。裏金ステマと涼香のピンチを最大限に利用した結果だ。
涼香は放心状態で頷く。「はい…わかりました…」 ノーパンのスカートを押さえ、濡れたままフラフラと歩き出す。すぐに新幹線で東京へ向かう。陰毛仮説ブラックホールと桃尻騒動を背負いながら、涼香の夢はまだ終わらない。フラフラの身体に、希望と疲弊が交錯する。
涼香はまだ知らない。次の出演ではさらに別次元の恥辱が始まることを
コメント