【涼香】20.電マ ~テレビ局の中抜きから生まれた恥劇~

小説

なぜ涼香はこんな目に? それは番組制作会社の都合による必然だった。

テレビ番組は主に広告料で成り立つ。

企業が広告代理店やテレビ局に金を払い、そこから中抜きされた微々たる予算で、番組制作会社は必死に番組を作る。

面白い番組がなければ即打ち切り、倒産の危機が迫る。最近も中抜きが過剰で、制作会社がバンバン潰れている。

この番組「あつまれ!家電大好きタレント」の制作会社も、CMだけでなく番組中も商品のごり押しをするようにテレビ局から押し付けられている。

そんな状況で面白い番組になるわけがなく、どんどん視聴率が低下していった。

起死回生を狙い、田中との高額契約で今視聴率が期待される「涼香&生放送」コンテンツをゲット。

ハプニングで視聴率を稼ぐため、涼香の股間に電動マッサージ機を当てる前代未聞の演出を仕掛けた。

社運をかけた社員全員がこの実態を口にせず、出演者もテレビ業界の暗黙のルールに流される。涼香は、まさにその渦中にいた。

スタジオの生放送。涼香はアイマスクをつけ、暗闇で待つ。

ブーン! 電動マッサージ機「リラックスプロZ」が股間に直撃。

「ひっ…!?」

頭が真っ白、口が声にならず震える。

テレビカメラは涼香の顔アップにズーム、開いた口と震える頬を捉え、ずっと顔だけを映している。

SNSがざわつく。

「これ電マあそこに使ってないか?」

「確定だろこの声!」

だが否定派も。

「テレビでそんなことあるわけないって!」

ブィィィィン…。「ん…あ…!」

涼香の喘ぎ声が響き、身体がビクッと跳ねる。

男性スタッフが直接マッサージ機を涼香の股間にくっつけ、力強い振動が襲う。

涼香は最初、必死に手を伸ばして振り払おうとするが、力が及ばない。諦めたのか、気持ちよさに負けたのか、それとも恐怖で身体に力が入らないのか、振り払う動きはやがて止まる。

「や…っ…」 言いたいが、刺激で言葉が途切れ、呻き声しか出ない。

司会者が軽快に。「さあどっちだ涼香ちゃん? どっちのマッサージ機?」

涼香は答えたくても、喉が震え言葉にならず、ただ喘ぎ声が漏れる。

「ん…っ…!」

涼香は腰を引いて距離を取ろうとする。

だが、背後からもう一つの電マが!

ブィィィィーン!

後ろからも振動が襲い、電マ2つで挟撃される。

涼香のパニックは頂点に。

「んああ…! や…っ…!」

喘ぎ声は大きく、激しくなり、話そうとするが言葉にならない。

「あ…な…っ…!」

口が震え、呻きが途切れる。

SNSが過熱。「電マでイカされてんじゃね?」「涼香の声、エグいぞ!」 否定派は弱々しく。「いやいやそんなわけないだろ…?」

司会者の質問「涼香ちゃん、どっちかな?」は電マ2つの破綻状況で茶番に。

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