地下三階のライブハウス「ノイズ・ガーデン」の楽屋裏。
赤沢社長は、汗と借金の重圧に押しつぶされそうな顔で、シークレット・パレットの3人――もも、るい、れい――を前に立つ。
ステージの余韻が残る控室で、彼女たちの笑顔が一瞬凍りつく。
赤沢は深く頭を下げ、震える声で切り出す。
「もも、るい、れい…本当にごめん。事務所の借金、数千万が返せなくて…このままじゃ、シークレット・パレットを続けられない。」
彼の目は潤み、言葉を絞り出す。
「水着でマッサージの案件が来た。…これをやってくれ。君たちの夢、僕の責任で潰したくないんだ…!」
ももが目を丸くし、声を震わせる。

「…マッサージ!? 水着…恥ずかしすぎるよ!」
るいが完璧なターンで培った冷静さを崩し、呟く。
「そんなの…アイドルとしてありえない…。」
れいは力強い視線を赤沢に向け、訴える。
「社長、いつも応援してくれてるファン、こんなの知ったら…!」
だが、3人は互いの顔を見合わせ、沈黙する。
地下のライブハウスで汗だくで踊った日々、チケットノルマを必死で埋めた記憶、ファンの笑顔がよぎる。
ももが唇を噛む。
「でも…社長がこんなお願いするなんて、よっぽどだよね…。」
るいが頷く。
「シークレット・パレットを続けるため…私たちの夢、諦めたくない。」
れいが拳を握る。
「恥ずかしいけど…社長のため、ファンのため、やってみる!」
3人は目を合わせ、震える決意で頷く。
「やろう、3人で!」

一方、東京の雑居ビルの一室。
田中の子分・次郎は、伝説のAV監督兼男優、秋山と打ち合わせのテーブルにつく。
次郎は得意げに企画を披露する。
「秋山さん、店舗A、B、Cでアイドルたちがそれぞれマッサージされる企画はどうでしょう?プロのマッサージ師による、恥ずかしいマッサージで盛り上げましょう! 秋山さんは名前貸しでいいんで、楽に見ててくださいよ!」
だが、秋山は無言で立ち上がり、眼光鋭く次郎に近づく。
次の瞬間、秋山の足が次郎の腹に炸裂。

「ぐはっ!」
次郎が悲鳴を上げ、地面に倒れ込む。
秋山が低く唸る。
「てめえ、仕事舐めてんのか! そんな使い古された企画、いつの時代のAVだよ!」
次郎は痛みに顔を歪めながら、這うようにして聞く。
「じゃ、じゃあ…秋山さんの案は…?」
秋山は語り始める。

「店舗Aには、そのマッサージ師3人を全員集中させる。プロの技でアイドルの理性をぶち抜く。」
彼の声はさらに強くなる。
「店舗Bは、俺がリーダーのならず者集団、ファッカーズがマッサージを担当。奴等の刺激で、ガッツリ掴む。」
「店舗Cは、俺が川口でパイプ作った移民グループだ。異国のエキゾチックな技で狂わせる!」
次郎は目を丸くし、焦る。
「素人や移民が集団でマッサージ!?何ですかそれ! 大丈夫ですか…!?」
「秋山さん、俺は何をすれば…?」
秋山は再び足を振り上げKICK。
「お前は邪魔だ、帰れ馬鹿野郎!」

ガツン!
次郎は悲鳴を上げ、逃げるように部屋を飛び出す。
地下のライブハウスでは、もも、るい、れいが手を握り合い、マッサージへの決意を固める。
「3人で乗り越えるよ!」
「シークレット・パレット、絶対続けよう!」
田中が仕掛ける新たな闇が、アイドルたちの夢に忍び寄る。


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